高島野十郎「雪晴れ」

高島野十郎「雪晴れ」昭和33年(1958)、福岡県立美術館蔵

雪の連山を背景に、雪原となった村の景色が、すっきりと晴れ渡った空の下に広がっています。明確な取材場所はわかりませんが、本作制作の前年である昭和32年(1957)に安曇野を訪ね、また後年には雪景色を求めて松本、穂高へと赴いたという記録が残っています。信州は彼にとって好みの場所であり、本作も北アルプス山麓の風景かもしれません。山へと続く奥行き方向と、山並みや平原の横方向との、直交する二つの軸を骨格として画面は構築されていますが、斜めに走る黒土の畔が絵の方向感覚に変化を与えています。色数が少ないだけに絵が単調に陥らないよう、野十郎はどこに視点をおくか、その配慮を怠りません。

*本作は、当館4階の高島野十郎特設コーナーにて展示中です。(2017年12月1日~2018年1月末を予定)