【型と花と】遠くを近くに

「型と花と」会場風景

「型と花と」会場風景

展覧会を見に来てくれた知人が興奮気味にこんな言葉をくれました。「着物って縁遠いものと感じていたけど、今日の展示を見てすごく近くに感じられたし、今まで何となく好きだったマリメッコのファブリックもじつはすごいんだ!ってことがよく分かった」と。とてもありがたい感想でした。

普段の暮らしで着物を着たりたしなんだりする人はごく少なく、それ以外の人にとってみればどこか時代遅れの、「きれいねえ」とは思っても自分たちの現実や感覚とは切り離されたものとしか感じられないとしても、それはそんなにふしぎなことではないでしょう。それでもつくり手は人生を賭けて着物をつくり、わたしは着物から学び知る知恵や術があると信じて展覧会をつくりました。

「きれいねえ」と着物を眺めてもらうことは、もちろんうれしいことです。しかしもう一歩踏み込んで、前のめりになって作品と向き合い、その美しさがどこからもたらされたのかをそれぞれの鑑賞者が自分なりに考え、自分の現実と結びつけて受け止めてもらうことができれば、さらにうれしいことです。そして展覧会は、そういう場として機能することができます。

作品をどう展示するのか、展示空間をどういうふうにつくるのか、ライティングはどうするのか、どんな解説文をどのくらい掲示するのか、会場看視は鑑賞者にどのように接するのか、などなど、全てはわたしが伝えたいことを分かりやすく伝えるためではなく、わたしが考えていることをいっしょに考え、ときにはいっしょに悩んでもらうための場をいかにつくるかなのです。結果として伝えたいと思っていたことは伝わらないかもしれませんが、伝わってしまうものはちゃんとあって、そのついつい伝わってしまったものが(鑑賞者の数に応じて)どれだけ多種多様にあるかが、場としての豊かさやコミュニケーションの面白さにつながるはずなのです。

展覧会に来てくれた知人が、わたしの思惑などはるかに超えてぐぐっと近づいて、マリメッコのすごさを自ずから実感してくれたように。(竹口)

【野十郎展】JR博多シティミニギャラリーの後期展示がはじまりました

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12月21日(月)から、JR博多シティ9階のJR九州ホールで「没後40年 髙島野十郎展」ミニギャラリーの後期展示がはじまりました。
このミニギャラリーでは野十郎についての解説や作品の複製パネル展示にくわえ、日本三大華道流派のひとつである「草月流」のみなさまが野十郎をイメージして制作した大作の生け花も展示しています!

後期展示に入り新たに生けられた大作のお花は、前期とはまたちがった魅力でみなさまをお迎えしています。
前期展示の大作生け花(左画像)は、野十郎の「月」を描いた作品をイメージして制作されておりましたが、後期展示(上画像)は、見えるものすべてを等しく克明に描こうとした野十郎の精神そのものを念頭におきながら制作されています。
草月流のみなさまが厳選し、時に野山を歩いてさがし求めたお花のひとつひとつに注目していただき、ぜひいろんな角度からお楽しみください。

「没後40年 髙島野十郎展」ミニギャラリー 後期展示
会場:JR九州ホール 入口付近(JR博多シティ9階 映画館前)
会期:平成27年12月21日(月)~12月25日(金)
時間:10:00~17:00
料金:無料

また、ミニギャラリー会場内は撮影可能です。
短い期間での展示となりますので、みなさまどうぞお見逃しなく!どうぞお気軽にお立ち寄りくださいませ。(横山)

 

【型と花と】着物と風景

「型と花と」会場から/釜我敏子「型絵染着物《麦秋》」のアップ

「型と花と」会場から/釜我敏子 型絵染着物「麦秋」のアップ写真

遠くに沈みゆく夕陽に心震わせながら、ふと足元に目を落とすと小さな花が咲いている。ふたつを同時に見ることはできないが、見ることができないからこそその間に吹き渡る風を肌に感じつつ、風景の美しさを体感する。風景とは風の景(影)。その揺れ動きをわたしたちは愛でることができるのだ。

釜我敏子さんの型絵染を見ていると、ふとそんなことを考えます。遠くの眺望の美しさと近くの凝視の美しさが同時に託され、見ている私の目は遠くに近くにワープを繰り返し、ここではないどこかへと誘われます。

「型と花と 釜我敏子の型絵染」は12月22日から後期展示が始まります。12月28日から1月4日まで年末年始のお休みをただいた後、会期は1月17日まで。ぜひ足をお運びいただき、実際に遠くから近くから、布(着物)をまるで眼で触るように見てください。見えなかったものがいろいろ見えてくるはずです。「眼で触る」などという非理性的に聞こえることが、人は想像の力によってできてしまう生き物であることを信じてみてください。(竹口)

 

釜我敏子 型絵染着物「麦秋」1988年、当館蔵

釜我敏子 型絵染着物「麦秋」1988年、当館蔵

【野十郎展】テレビ放送・新聞掲載予定のおしらせ

髙島野十郎「桃とすもも」昭和36年、個人蔵

髙島野十郎「桃とすもも」昭和36年、個人蔵

ただいま開催中の「没後40年 髙島野十郎展」ですが、いよいよイベントなども本格的に始まってまいりました。展覧会を盛り上げ、より多くの方に髙島野十郎を知っていただくために、各種メディアでも展覧会をご紹介いただく予定になっております。

【テレビ放送】
平成27年12月18日(金) あさ11:00~【(再放送)同日 16:00/19:00/22:00/24:30】
地デジ11ch(J:COM)「デイリーニュース」

平成27年12月18日(金) 深夜25:10~【日付としては12月19日(土)1:10~】
TNC 「マニアマニエラ」
「マニアマニエラ」webページ
→  http://8ch.tnc.co.jp/manimani/ (クリックすると移動します)
金曜の深夜に放送中の、福岡のイベント・音楽情報をおとどけする15分番組です。MCの松尾幸一郎さんとたけるさんをお招きし、担当学芸員の高山百合が展覧会の魅力をご紹介します。

平成27年12月27日(日) あさ6:30~7:00
TNC 髙島野十郎展特別番組「久留米が生んだ奇才 髙島野十郎~魂の軌跡に迫る~」
郷里・久留米での撮影も交えながら、髙島野十郎の生い立ちをはじめ代表的な作品を紹介するとともに、野十郎の代名詞でもある「蝋燭」の絵を数多く描き続けた理由などに迫ります。

【新聞掲載】
平成27年12月18日(金)、19日(土)、22日(火)、23日(水・祝)、25日(金)
西日本新聞(朝刊)
髙島野十郎展の特集記事が5回にわたって連載される予定です。

さまざまな角度から髙島野十郎をご紹介してまいります。みなさま、ぜひチェックされてみてくださいね。(横山)

 

【型と花と】後期展示は12月22日から

「型と花と」会場風景(前期展示)

「型と花と」会場風景(前期展示)

11月29日から始まりました「型と花と 釜我敏子の型絵染」もいよいよ会期中盤にさしかかろうとしております。釜我敏子の美しい着物の魅力を堪能してもらうとともに、型染のおもしろさやむずかしさを知ってもらうために今回の展示では型紙もたくさん展示し、その他チャレンジングな試みをさまざまに展開しています。着物や工芸に興味のある方もない方もぜひご来場いただき、会場のなかを行きつ戻りつしながら時間を過ごしてもらえればうれしく思います。

さて、12月22日(火)からはいよいよ後期展示。現在展示中の30点の作品のうち約20点が展示替えされて、がらりとちがった眺めになります。すでにご来場いただいた方もその時のチケット半券のご提示で団体料金にてご覧いただけますので、ぜひ足をお運びください。スタッフ全員でみなさんの笑顔やうっとりした顔を楽しみにお待ちしております。(竹口)

*年末年始の休館は12月28日から1月4日まで、年明けは1月5日からの開館になります。

【野十郎展】TNC「マニアマニエラ」にて放映

髙島野十郎「割れた皿」1958年頃、当館蔵

髙島野十郎「割れた皿」1958年頃、当館蔵

「没後40年 髙島野十郎展」がTNCテレビ西日本の番組「マニアマニエラ」で紹介されることが決定しました。

放送日時は、12月18日(金)25時10分(12月19日01時10分)から。番組の詳細は、随時このホームページや展覧会の公式ホームページ公式facebookなどでご紹介いたします。

担当学芸員が本展の魅力をたっぷりとお伝えしますので、是非ご覧ください。

 

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