(ただし、祝休日の場合はその翌平日)
(入場は17:30まで)
( )内は20名以上の団体料金
次の方々は無料=身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている方及びその介護者/教員引率による小学校・中学校・義務教育学校・高等学校・中等教育学校・特別支援学校の児童・生徒及びその引率者/会期中土曜日の高校生以下の方
福岡県立美術館、九州大学総合研究博物館
東京、京都、東北に次ぐ4番目の帝国大学として明治44年(1911)に福岡の地に開学した九州帝国大学は、明治36年(1903)開学の福岡医科大学をその前身とし、工科・医科の二分科大学として誕生したのちには、大正8年(1919)に農学部が、同13年に法文学部が創設され、総合大学として発展していきます。九州大学(以下「九大」)は、最先端の知が結集する学問の殿堂であったのはもちろんのこと、そこに多くの人や物が集まり、盛んに相互交流を重ねるというように、九大を中心とした文化的磁場が形成されたことにより、福岡の地域文化の振興に大きな役割を果たしたとも言えるでしょう。本展は3つの会場からなります。メイン会場である福岡県立美術館では、九大において展開された近代の美術活動に注目し、仙厓や同時代美術のコレクターであり、美術評論家としても活躍した医学者・中山森彦の活動、九大工学部壁画を描いた洋画家・青山熊治の福岡における活動、九大の歴代の総長や教授たちを描いた肖像画、九大ととりわけ深いゆかりを持つ作家や作品などの美術作品を通して、様々な視点から九大百年の歩みをたどっていきます。また、サテライト会場である九州大学総合研究博物館や九州大学医学歴史館では、植物画や昆虫画、考古学資料、ムラージュ等、大学ならではの様々な博物資料を展示し、「美術」の周辺にある事象についてご紹介します。九大という場が引き寄せ、そこにおいて織りなされたいくつもの物語が、あたかもひとつの織物を織るかのように重なり合い、絡まり合う様子から、近代福岡の地域文化史の一側面をご覧いただくと同時に、開学から百年の時を経た九大がこれから未来へ向けて歩むべき姿にも思いを馳せていただけたら幸いです。
展覧会の構成
STORY1 プロローグ・九州帝国大学の開学と歴史
九州帝国大学の開学当時の様子について、古地図や絵葉書、写真、建築図面などからひも解きます。
STORY2 美術評論家・中山森彦の活動
九州帝国大学医学部教授を務めた医学者であると同時に、美術評論家やコレクターとしても活躍した、福岡の美術界のキーパーソン・中山森彦の活動について、旧蔵作品や資料から検証します。
*仙厓作品は一部展示替えがあります。(前期:10/8~23、後期:10/25~11/13)
STORY3 九州大学工学部壁画と青山熊治
九州帝国大学工科大学で教鞭を執った西川虎吉教授の還暦退官を記念して、青山熊治に依頼され、今もその堂々たる姿をとどめている「九州大学工学部壁画」を中心にしながら、青山が福岡の地に残した足跡をたどります。
STORY4 博士たちの肖像
九大の学内には、大学で教鞭を執った博士たちの肖像が多数残されています。当時の著名な美術家たちに依頼されたこれらの肖像は、美術作品としての価値もさながら、大学という学問の場において、学恩を追慕し、後世に伝えるものとして現在も大切に保管されています。
STORY5 九大ゆかりの作家と作品
開学から100年という長い歴史のなかで、九大には様々な作品が伝わっています。九大と直接に関係のある作家による作品や、九大ゆかりの人物によって伝えられた作品など、来歴は様々ですが、いずれも九大に関係する人々の営みによって生み出され、 九大という「場」に引き寄せられた作品です。
STORY6 「美術」の周辺
【サテライト会場①/九州大学総合研究博物館】
中山森彦の実弟である中山平次郎は、九州帝国大学医科大学の教授でありながら、「漢委奴国王」の金印の出土地や鴻臚館の位置を推定するなど、福岡の考古学の発展に大きな足跡を残した人物です。また、金平亮三は九州帝国大学農学部教授を務めた林学者であり、一昨年、彼が描いた緻密な植物画が約80年ぶりに発見されました。九州大学総合研究博物館では、これら二人の活動に注目しつつ、考古学資料、科学描画などを展示します。
【サテライト会場②/九州大学医学歴史館】
九州大学医学歴史館では、福岡美術会を組織した新島伊三郎(嘯風)によって制作されたムラージュ(Moulage)の展示を中心にしながら、「医と美術」の接点を探ります。ムラージュとは、型取り模型のことで、特に病歴の記録や医療教育用のために作られたロウ製模型は、明治・大正時代に日本に導入されました。九州大学大学院医学研究院皮膚科学教室には、1900年代に制作された出色のムラージュ約110体が良好な保存状態で保管されています。
STORY7 エピローグ・歴史から未来へ
*関連イベント*
【1】国際シンポジウム「大学と美術」
日時/10月15日(土) 13:00~17:00
場所/九州大学箱崎キャンパス 旧工学部本館1階大講義室
参加無料(定員約300名、事前申込不要) *通訳あり
パネリスト
①アンカ・ルジョジュ(南洋理工大現代美術センター出版部長/シンガポール)
②鄭干澤(東国大学教授・大学博物館館長/韓国)
③木ノ下智恵子(元・大阪大学コミュニケーションデザイン・センター(CSCD) 特任准教授)
④尾本章(九州大学大学院芸術工学研究院教授、九州大学ソーシャルアートラボ・ラボ長)
⑤後小路雅弘(九州大学大学院人文科学研究院教授)
参加無料(定員約300名、事前予約不要)
主催/科研「大学における「アート・リソース」の活用に関する総合的研究」(研究代表者:五十殿利治)
【2】連続セミナー「九大百年」
第1回/10月22日(土) 14:00~17:00
①後小路雅弘(九州大学大学院人文科学研究院教授)「青山熊治と《九州大学工学部壁画》」
②岩永省三(九州大学総合研究博物館教授)「中山平次郎の考古学研究」
③高山百合(福岡県立美術館学芸員)「九大百年 美術をめぐる物語展について」
第2回 11月5日(土) 14:00~17:00
①古江増隆(九州大学大学院医学研究院教授)「九州大学皮膚科のムラージュについて」
②三島美佐子(九州大学総合研究博物館准教授)「金平亮三の植物研究と科学描画」
③高山百合(福岡県立美術館学芸員)「九大の学術研究と美術とのつながり」
場所/いずれも福岡県立美術館4階視聴覚室、参加無料(定員約80名、事前申込不要)
【3】ミュージアムカフェ「音楽と美術の夕べ」―青山熊治《九州大学工学部壁画》特別鑑賞会―
日時/第1回 10月21日(金) 19:00~21:00、第2回 11月11日(金) 19:00~21:00
場所/九州大学旧工学部本館4階会議室
参加無料、定員約40名(当日先着順、事前申込不要)
【4】ギャラリートーク
本展の福岡県立美術館会場担当の高山百合学芸員が展覧会場をご案内します。
日時/第1回 10月8日(土) 14:00~、第2回 11月12日(土)14:00~
場所/福岡県立美術館4階展示室内
参加無料(要観覧券、事前申込不要)
展示会場と観覧時間
*3つの会場をまわってすべてのスタンプを集めた方には、記念品を贈呈します!
〔メイン会場〕
福岡県立美術館
〒810-0001 福岡市中央区天神5丁目2-1 TEL:(092)-715-3551
観覧時間/10:00~18:00(入場は17時30分まで)、月曜日休館(ただし10/10(月・祝)は開館、10/11(火)は休館)
入場料/一般700円(500円)、高大生500円(300円)、小中生300円(200円) *( )内は20名以上の団体割引料金
*九州大学の学生・教員・職員については学生証・教員証・職員証の提示で無料。
*65歳以上の方は特別割引料金(500円)
*以下の方々は無料=身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている方及びその介護者/特定疾患医療受給者証、特定医療費(指定難病)受給者証の交付を受けている方/教員引率による小学校・中学校・義務教育学校・高等学校・中等教育学校・特別支援学校の児童・生徒及びその引率者/会期中土曜日の高校生以下の方
〔サテライト会場Ⅰ〕
九州大学総合研究博物館
〒812-8581 福岡県福岡市東区箱崎6丁目10-1 九州大学箱崎キャンパス 旧工学部本館3階 TEL:(092)-642-4252
観覧時間/10:00~17:00、会期中休館日なし、入場無料
〔青山熊治《九州大学工学部壁画》の特別公開〕
〒812-8581 福岡市東区箱崎6丁目10-1、九州大学旧工学部本館4階会議室
http://www.museum.kyushu-u.ac.jp/
観覧時間/会期中土日祝日のみ、10:00~17:00、入場無料
〔サテライト会場Ⅱ〕
九州大学医学歴史館
〒812-8582 福岡市東区馬出3丁目1-1 九州大学馬出キャンパス TEL:(092)‐642‐4856
http://rekishikan.med.kyushu-u.ac.jp/
観覧時間/10:00~16:30、月・火曜日休館、入場無料