2015年4月30日(木)
熊本の小国町にある坂本善三美術館にて「生活と美術展 暮らしの中の坂本善三」という展覧会が開催されています(~5月31日)。当館で2016年1月から開催するコレクション展「あなたの暮らしのための工芸」と趣旨や狙いが共通していることもあって、展覧会をいっしょにつくってくれる坂下和長さん(CRITIBA)と連れ立って見に行ってきました。
居心地よく、刺激的でもある、すばらしい展覧会でした。どうすばらしいかと私が説明するよりも、チラシにも記載されている展覧会趣旨の文章をそのまま紹介した方が伝わるような気がしますので、以下に。
好みの服を着たり、好きな茶碗で食事をしたり、生活の中に美意識が生きている場面は多数あります。壁を好きな絵で飾るのもその一つでしょう。坂本善三の作品も、多くの家庭でその生活の一場面を彩ってきました。そんな元個人蔵の作品が当館にも多数収蔵されています。
それらの作品が、さまざまな暮らしの中でどのように愛でられてきたのか、美術館の中で再現してみようというのが本展の試みです。本展では、熊本県伝統工芸館収蔵品によるさまざまな工芸品と、坂本善三が使っていた道具や手がけた工芸作品によって暮らしの様子を再現し、その中で坂本善三の作品を味わってみようと思います。
家庭の中で作品は、美術館のような作品を鑑賞するためだけの部屋ではなく、日常の道具が置かれている中に存在しています。生活の中での絵画は、じっくりと眺める鑑賞の対象というよりは、日々の営みのかたわらで人々に静かに寄り添い、その日の出来事や気分によってさまざまな表情を見せていることでしょう。目にも留まらないこともあるかもしれないし、毎日暖かく語りかけてくれるかもしれない。あるいはふとした拍子に、日常が一変するような啓示を与えてくれることがあるかもしれません。
もしかしたら、そういうなんでもない毎日の中で私たちの心の礎を作り続けることこそが、美術の持つ本当の力なのではないでしょうか。
本当に好きなものに囲まれて暮らす豊かさを感じると共に、美術館で見るのとは違う、生きた美術の姿を垣間見ることができればと思います。
どうぞおうちでリラックスしているときのような気分で、この空間をお楽しみください。
新緑が気持ちいい季節です。来年の当館コレクション展「あなたの暮らしのための工芸」の予習もかねてお出かけくだされば、うれしく思います。(竹口)
坂本善三美術館
→ http://sakamotozenzo.com/
CRITIBA
→ http://critiba.com/
2015年4月30日(木)
福岡県立美術館では1階と3階の展示室を、美術団体や一般の方々の展覧会のための場所としてお貸ししております。
3階3,4号展示室
入場無料
主に福岡県内で活躍されている各芸術グループの代表者の作品を通して作家と作家、作家と美術愛好家との交流を図る展覧会です。
1階展示室
入場無料
芦馬治雄(あしまはるお)、梵主(ぼんず)他、主催者が所蔵する作品と北九州市や福岡市で活躍する作家の作品を展示しています。
2015年4月23日(木)
メモリーパッチワークスクール作品展
3階3,4号展示室 / 入場無料
福岡市で30年の歴史をもつパッチワークスクール(主宰 三池道)が1年半ごとに開催する作品展。タペストリーやベッドカバーなど大作・力作を40~50点出品。
野村万紀さんがこれまでの作品に使用した麻ひもを解いて繊維状態にして展示。展示室のガラスから差し込む自然光と混ざりあう光景が印象的。
2015年4月15日(水)
平成27年6月20日(土)から7月26日(日)まで、「金子みすゞ・金澤翔子 ーひびきあう詩と書ー」が開催されます。
「こだまでしょうか」などの優しさあふれる詩を残した童謡詩人・金子みすゞとNHK大河ドラマ「平清盛」題字の揮毫などで知られるダウン症の書家・金澤翔子。ふたりの詩と書、魂がひびきあった作品をこの機会にぜひご覧ください!
さて、開幕に先立ちまして展覧会関連イベントを2つご紹介します。
日 時:平成27年6月20日(土)14:00~(13時30分開場)
場 所:福岡県立美術館 1階
料金無料
※予約不要ですが、状況によっては入場制限をさせていただく場合もあります。
講 師:矢崎 節夫(児童文学者・金子みすゞ記念館館長)
演 題:みすゞさんのうれしいまなざし-みんなちがって、みんないい。
日 時:平成27年6月21日(日) 14:00~(13:30開場)
場 所:福岡県立美術館 4階 視聴覚室
料金無料(ただし事前申し込みが必要)
※応募方法:講演会に参加を希望される方は、電話もしくはFAXで必要事項(①氏名②電話・FAX番号)をお伝えください。
※席に限りがあるため、先着順といたします。
※本イベントは参加無料ですが、本展覧会の半券、又は購入済みのチケットをご呈示ください。
※ご応募いただいた個人情報は、本イベントの連絡のみに使用させていただきます。
このほかにも様々なイベントを予定しております。
展覧会・イベント情報は随時更新していきますのでチェックされてみてくださいね。(横山)
2015年4月14日(火)
九州・山口の女性を対象とした書の公募展です。文部科学大臣賞を受賞した永井麗華さんの作品をはじめ、九州、山口各県知事賞を受賞した作品を含む約千点を展示します。会期中2回の展示替えを予定、入場は無料です。
(会場 1階展示室、3階1・2・3・4号室)
2015年4月7日(火)
戦後間もない昭和25年に糸島に「郡展」という文化の灯がともされました。松永冠山(日本画)、原田新八郎(彫刻)ら地元の美術家や教員、美術愛好家たちによって創立された展覧会です。 油彩、水彩、パステル、アクリル、切り絵、ちぎり絵、墨彩、彫刻、陶芸、工芸の約90点を展示しています。(会場 3階2・3室 入場無料)
2年前に急逝した平田貴大氏の遺作を中心に羲之会会員の作品を展示しています。主な出品者は平田貴大(西南大書道部卒)、中村山雨(東京書作展常任運営委員)、江島曜一(東京書作展常任審査委員)他約20名です。(会場 3階4室 入場無料)
2015年4月4日(土)
1階展示室で開催中のNexus – 紙 – サテライト展(~4/12)では、国内外17名と1組の紙による繊細でダイナミックな作品をご紹介しています。石の床と差し込む光、そして紙とのコントラスト/ハーモニーを堪能ください。(竹口)
出品作家
安宰國(韓国)、Daniela Todorova(ブルガリア)、石井香久子、Jean Michel Letellier(フランス)、Jeannine De Raeymaecke(ベルギー)、曺榮煕(韓国)、金正周(韓国)、栗田融、くろきみつる、Mireya Samper(アイスランド)、松尾伊知郎、文芝瑛
招待作家
池崎義男、関島寿子、鈴鹿芳康、栄光翼、柳和暢
特別展示
西南学院中学校授業作品(井手沙織里、押川真子、正化良、鍋山千尋、堀尾理沙、村上あやめ、山内桃子)+韓国の高校生作品(KIM Yeonsu)
*本展は、共星の里(朝倉市黒川)で現在開催中の「Nexus -Paper Works expressinons / ネクサス-紙による表現」展(~5/31)のサテライト展示であり、10月に当館で開催する「紙、やどる形」展(10/10-11/23)の関連企画でもあります。