講師/高山百合(福岡県立美術館学芸員、本展企画者)
「没後50年中村研一展」の3回目の講演会では、当館学芸員の高山百合がお話しいたします。
中村研一はたくさんの戦争画を描き、戦争画家としての不朽の地位を確立しましたが、それらの戦争画の認知度に比べれば、その前後に描かれて帝展や日展に出品された作品についてはそれほど知られていません。本講演では、昭和5年に帝展の最高賞である帝国美術院賞を受賞した「弟妹集う」や、戦後の日展に出品した「サイゴンの夢」など、戦争画制作の前後に描かれた重要な作品に着目し、戦前作から戦後作へどのような点が継承され、また逆にどのような点が変化し、断絶したのかということについて探ります。ぜひご参加ください。