髙島野十郎「秋陽」
秋空の夕陽が藪木立に傾いて、強い斜照が草木をシルエットのなかに溶かし込んでいます。残光を受けたススキの穂は仄かに白けて揺れています。寂莫としたエモーショナルな夕景を見事に表現した本作は、太陽の連作のひとつですが、こうした夕方の風景とともにとらえた作品が野十郎には多い。陽のまぶしさと影の暗がりとがつながって、野十郎の独特な抒情性を作り出しています。
*本作は当館4階の「髙島野十郎特設コーナー」にて展示中です(2017年10月4日~11月末頃まで)