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児島善三郎が「キャンバスにこめた希望」(第3回) 新時代の美術を確立する 独立美術協会の設立

10月7日(土)から12月10日(日)まで、当館で開催している「生誕130年 児島善三郎展―キャンバスにこめた希望」をより深く楽しんでいただくために、「児島善三郎が「キャンバスにこめた希望」」と題する記事を全6回にわたってお届けします。

第3回 新時代の美術を確立する―独立美術協会の設立

3年半の留学を終えた児島善三郎は、ヨーロッパで学んだことを日本でも実践しようとします。とくに、西洋美術の伝統を踏まえながらも、そこに日本らしさをこめた「日本的油絵」を作り出すことへの希望を強く持っていました。しかし、彼が所属していた二科会は、留学を終えて自らの進むべき道が見えてきた児島の考え方とは全く合わないものとなっていました。

児島善三郎《スペイン装の高田せい子氏像》昭和4年(1929)、第17回二科展、北九州市立美術館蔵 *舞踏家をモデルに「見返り美人」を思わせるような姿態で描く。スペインの民族衣装の表現が印象的である。

そこで児島は、二科会を脱退し、二科会からの「独立」、そしてさらには西洋美術からの「独立」をもくろみ、「独立宣言 茲に我々は各々の既成団体より絶縁し、独立美術協会を組織す、以て新時代の美術を確立せんことを期す」という高らかな宣言とともに、昭和5年(1930)に独立美術協会を結成し、その若き団体のリーダー的な存在として大きな役割を担いました。

児島善三郎《独立美術首途(第二の誕生)》昭和6年(1931)、第1回独立展、横須賀美術館蔵  *若さと熱のこもった作品には、独立の誕生にかける並々ならぬ思いがこめられている。

第1回独立展に、《独立美術首途(第二の誕生)》と題する作品を発表し、独立美術協会の華々しい門出を祝した児島は、以後も毎年の独立展を主戦場に、おおらかで力強く、華麗な作品を発表しました。独立展に集う作家は、作風の相違はあれども、色調や筆触の端々にある種の熱気のようなものを感じさせる作品を手掛けていますが、そのような「独立らしさ」を牽引していたのもまさに児島の作品であり、児島善三郎という存在そのものでした。(第4回に続く)

 

児島善三郎《代々木の原》昭和9年(1934)、第5回独立展、福岡県立美術館蔵 *筆の線が自由に踊るすがすがしい作品。この頃から「日本的油絵」を実現するために、松の絵に取り組んだ。

第1回「苦難と成長の青年時代―絵を描く喜び」はこちらから

第2回「憧れのヨーロッパ―希望に満ちた船出」はこちらから

「生誕130年 児島善三郎展」のページはこちらから

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