福岡県立美術館
Fukuoka Prefectural Museum of Art
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生誕130年 児島善三郎展

キャンバスにこめた希望

児島善三郎「ミモザその他」1957年、久留米市美術館
児島善三郎「ミモザその他」1957年、久留米市美術館
児島善三郎「独立美術首途(第二の誕生)」1931年、横須賀美術館蔵
児島善三郎「独立美術首途(第二の誕生)」1931年、横須賀美術館蔵

このたび福岡県立美術館では、博多に生まれ、昭和期の洋画界で大きな役割を果たした洋画家・児島善三郎(1893₋1962)の生誕130年の節目を記念する回顧展を開催します。西洋美術の模倣ではない「日本的油絵」とは何かということを常に考え、日本の伝統美術を踏まえた装飾的かつ大胆な表現と色彩が魅力的な児島は、1930年結成の独立美術協会のリーダーとしても大きな役割を担いました。

児島善三郎の回顧展としては久しぶりの開催となる本展では、初期から晩年に至るまでの代表作を数多く含めて画業の全体像を示しつつ、日本におけるフォーヴィスムのひとつの到達点ともいえる人物画や風景画、花の作品を紹介します。いずれも、時代を経た今でも古めかしさを感じさせない豪華絢爛な作品群です。

そしてまた本展では、児島善三郎がキャンバスに込めた“希望”をテーマとします。太平洋戦争という大きな時代の波に翻弄された画家が、代表作《春遠からじ》や《アルプスへの道》など、戦後に描いた風景画に託した、再生への切実な思いを読み取っていただければ幸いです。

絵描きとして生きることへの希望、永遠の美を探求することへの希望、そして描くことへのあくなき希望―児島善三郎の作品に宿されたポジティブなエネルギーは、今を生きる私たちの心にも希望の光をもたらしてくれることでしょう。


(1)レクチャー
開催場所/福岡県立美術館4階視聴覚室、参加無料、予約不要 定員/80名(先着順)

  1. 1.高山百合(福岡県立美術館学芸員、本展担当)
    「児島善三郎の生涯と芸術」 11月4日(土) 14時~15時30分
  2. 2.西本匡伸(福岡県立美術館学芸員)
    「児島善三郎の日本」 11月18日(土) 14時~15時30分

(2)担当学芸員によるギャラリートーク
10/7(土)、10/21(土)、12/9(土) いずれも14時~(30分程度)
開催場所/福岡県立美術館4階展示室内、参加無料(要観覧券)、予約不要
本展担当学芸員の高山百合が展覧会や作品についてお話しします。


展覧会のチラシはこちらから→「生誕130年児島善三郎展」チラシ

 

児島善三郎「春遠からじ」1950年、個人蔵
児島善三郎「春遠からじ」1950年、個人蔵
児島善三郎「満開」1948年、個人蔵(福岡県立美術館寄託)
児島善三郎「満開」1948年、個人蔵(福岡県立美術館寄託)
児島善三郎「アルプスへの道」1951年、東京国立近代美術館蔵
児島善三郎「アルプスへの道」1951年、東京国立近代美術館蔵
児島善三郎「雪柳と海芋に波斯の壷」1956年、東京国立近代美術館蔵
児島善三郎「雪柳と海芋に波斯の壷」1956年、東京国立近代美術館蔵
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