2015年3月18日(水)
日本習字創設者原田観峰先生の「正しい文字・美しい文字」の普及と手書き文字の良さを子どもたちから成人までの作品を通して発表します。書作品約130点を展示しています。(1階展示室 入場無料)
続けることの大切さ、多くの方の支えがあってこその45周年。感謝の気持ちを込めて、各教室からの作品を含めた書作品約200点を展示します。(3階 1号展示室 入場無料)
1980年、西日本新聞35,000号記念事業の一環として創設。第1回大賞受賞の中島宏氏をはじめ、現代の陶芸界をリードする作家を多く輩出するなど西日本で最大の公募展です。(3階 2・3号展示室 入場無料)
主催:西日本新聞社
大学卒業にあたり、大学4年間の集大成として、これまでの学習の成果を発表する卒業制作個展です。これまで学んだことを最大限に生かし、バリエーション豊かな作品を展示しています。(3階 4号展示室 入場無料)
2015年3月17日(火)
福岡県立美術館が開館した1985年からはじまった「とっぷらいと」。数年前に福岡県立美術館「ニュース」から「レター」へとリニューアルし、本日めでたく第100号が発行されました。
モノトーンにしっとり濡れた表紙写真をめくると、色とりどりな美術のたのしさがひろがっています。見かけた方はぜひ手に取って、開いてみてください。きっと「おっ!」って声が出ちゃいますよ。(竹口)
福岡県立美術館レター「とっぷらいと」100号
100号記念ラウンドトーク「これからを照らす『とっぷらいと』を夢みて」
美術館あれこれ/開館30周年2015年度の展覧会ラインナップ
びじゅつことのは/洋画家 児島善三郎の言葉から
コレクション通信 特別編/開館30周年記念コレクション展連続企画からのこの1点
1)洋画 「サイゴンの夢」中村研一
2)日本画 「かひこの森」冨田溪仙
3)現代美術 「天動説 六」菊畑茂久馬
4)工芸 「貝殻文色漆手箱」柏崎栄助
表紙・裏表紙写真 櫻木雅美
デザイン 毛利清隆
2015年3月14日(土)
3月15日は「古川吉重1921-2008」展の最終日です。古川吉重さんの作品世界はご堪能いただけたでしょうか。
長くニューヨークで活動した古川吉重という画家の一生、その追い求めたもの、辿りついた世界をぜひ会場でお楽しみください。
さて、今回も小ネタを一つご紹介します。「穴」についてです。
古川さんは自分を「画家」と任じた人だと思います。
ゴムシートや画布を縫い合わせた作品も彼にとっては「ペインティング」でした。
そんな古川さんの作品ですが、ところどころに興味深い「穴」が見え隠れします。
絵画に穿たれた「穴」。なかなか興味深い問題です。
いろんなタイプの「穴」があるのですが人気が高いのはこちらの「穴」でしょうか。
この「FIELD-12」には穴がありますが意外と気付かれなかったりもします。そして気付いたときの驚きが人気の秘密なのでしょう。
気付きにくいのには理由があって、カンバスの裏に厚紙がはりつけてあり、穴の向こう側が真っ暗闇になっているからです。だから、ただの黒い丸に見えるのです。
会場で散見される他の穴と比べてみると、それが意図的なものであるのは一目瞭然です。
「FIELD」シリーズを手がける前、1960年代後半、古川さんはオプ・アートの影響を思わせる錯視的効果を利用した作品を手がけていますが、「FIELD-12」の黒い丸に見える穴は、その錯視的効果への興味の延長上にあるといえるでしょう。
しかし、1960年代後半の古川さんの錯視的効果を利用した取り組みはあくまでカンバスの表面における色彩と形の組み合わせ終始していました。それが、「FIELD-12」では、その表面に穴があいてしまった。
穴が穿たれたカンバスは絵具の層をのせる面としての役割から逸脱していき、古川さんは次第にカンバスそのもの、あるいは支持体そのものを造形の対象として扱うことへの興味を深めていきます。
その流れは会場で確認していただくとして、「FIELD-12」の穴に戻りましょう。古川さんはこの時期の作品についてこんな言葉を残しています。「平面であることに飽き足らず、打抜き金具によって直接カンバスに小円の穴をあける。視覚は画面の背後に吸収される」。
「画面の背後」とは何なのか。「FIELD-12」においてはこの暗く先の見通せない穴の奥、ボイドと表現したくなるような空間なのでしょう。
一方で、もっと即物的な「画面の背後」を見せる穴が古川さんの後の作品にはあります(どの作品かは探してみてください)。
「FIELD-12」よりも気付きにくいこの「穴」。この穴から除くのは、カンバスの骨組みとなる木材、そして壁です。
それらは「絵画」を支えるものであり、私たちが「絵画を見る」ときには隠されているもの、透明なもの(ないもの)として扱われるものでもあります。
(慣習的に、私たちが「絵画を見る」時に捉えているのは、額縁によって世界から切り取らたカンバスの表面にのった絵具が生み出す世界、ということもできると思います)
それら隠されていたものが開示されるとき、改めて、私たちは思うかも知れません。「絵画って何?」と。
とはいえ、古川さんが非常に理論的に、ある種攻撃的に、絵画の在り方を問いただすタイプの作家だったようには思えませんし、絵画の在り方を問いかけることがこの作品の根幹であるようにも思えません。
古川さんの作品を見渡し、古川さんの言葉を拾い集める限り、古川さんは終生画家であり、一途に「ペインティング(絵画/描くこと)」の世界に身をおいた人であったように思います。たとえ、ゴムシートと画布を縫い合わせた作品であってもです。そこには一歩一歩地道な造形的思索の跡は見えますが、存在基盤をひっくりかえそうとするような衝動はあまり感じられません。
ただし、古川さんの生きた時代は、ラディカルに絵画の在り方を問いただしていった時代でもありました。古川さんも無縁ではなかったでしょう。この「穴」はその証であるようにも思われます。
古川さんのとある「絵画」の見過ごされることも多い小さな「穴」は、絵画を支えるものを垣間見せるとともに、古川さんの生きた時代を覗かせているともいえるかもしれません。(藤本)
2015年3月12日(木)
「古川吉重1921-2008」展も残すところあと3日になりました。
福岡に生まれ、40歳を越えてニューヨークに渡り、抽象の世界を追い求めた古川吉重さん。
本展では4つの章と幕間で古川さんの軌跡とその作品の魅力を紹介しています。
さて、会期残りわずかになり、古川さんの世界を十分に堪能された方も多いかと思うので、ちょっと小ネタをご紹介します。
灰色の地に赤、黄土色、黄色や白、そして黒が飛び交うこの「作品」(ひとまず作品とします)。
展覧会をご覧になったかたはご記憶にあるでしょうか。
おそらく「記憶にない」かたのほうが多いのではないかと思います。
というのも、これはある作品の「ヨコ(側面)」だからです。
ちなみに正面から見るとこんな作品です。
正面から見たときに目に入る色彩と側面から見たときに目に入る色彩の印象は随分違います。
(とはいえ、よくよく見ると、弾丸のような、アーチ型の扉のような白い形象には赤の色が重ねられていますし、青い長方形の端には鮮やかな赤や黄、オレンジが垣間見えています。)
正面観と側面観のこの違いはいろいろなことを考えさせられます。
例えば、黒の世界から色彩の世界への中間点としての「L3-5」の位置です。
この作品が描かれる前、1980年代前半、古川さんは70年代の画布とゴムシートを縫い合わせた作品から「描くこと」に回帰し、いわば「黒の絵画」と言えるような一連の作品を手がけていました。
この記事の二番目に掲載している「L-42」(1981年)はまさにその時代の作品です。
そして、その黒の時代を経て、80年代後半から古川さんは色彩豊かな抽象絵画の世界を展開していくようになります。
この記事で最初に掲載している「L9-4」(1990年)は色彩が画面に広がりはじめたころの作品で、今日、古川吉重さんの絵画といえば、こちらの作風を連想する人のほうが多いでしょう。
「L-42」では黒を基調とした地の上に、白い形象が画面からはみ出しながらも描かれ、さらにそこに青い長方形が描かれています。黒と白を中心とした抑制された色彩感覚は80年代前半の黒の時代に近く、そこに差し込まれる青が次の時代を予兆しています。
しかし、実は、この作品では、作品の側面にこそ、80年代後半から前面化される色彩が渦巻き、顔をのぞかせてるとも言えるのです。
むしろ、正面の幾何学的に整えられた世界以上に、この側面の交じり合う色彩こそ次の時代の萌芽を示しており、また、過渡期の絵画が胚胎するエネルギーの表れとなっているとも考えられるのです。
一方で、古川さんのその後の絵画では、正面から見える色彩と側面から見える色彩はほとんど同じです。
絵画のヨコをどうするか。古川さんはいろいろなことを試みています。
絵画のヨコは「絵画とは何であるか」を考える上ではとても重要な要素であり、また画家が「絵画とは何であるか」を示すための重要な要素とも言えるでしょう。
カンバス(支持体)の表面に広がる世界が絵画の世界なのか否か。
このヨコを巡る試みの末、古川さんがたどり着いたのは、正面の色彩とほぼ同じ色彩を側面を採用するスタイルでした。
古川さんにとって「絵画」とはこのようなカタチだったのでしょう。
ちなみに、古川さんはゴムシートの作品も「絵画」という言葉で表現しています。
「そこに生ゴムがあったから、ということです。私にとってはごく自然なペインティングだと受け取っていただければ・・・・・・」(『毎日新聞』1977年3月5日付)
しかし、実は、晩年の古川さんの絵画のヨコは異なる展開を示します。
古川さんにとって「絵画」とは何だったのか。どうあるべきものだったのか。
その探求はきっと、紙の上ではなく、会場でこそ感じ取ることができるものでしょう。(藤本)
2015年3月11日(水)
代表の宮原清翠は、故今井凌雪先生の門下生です。第1回作品展より手本に頼らないことを前提に、各人がコツコツと研究した成果を発表してきました。古典の研究に立脚した作品の展示会です。(1階展示室 入場無料)
真田則幸を講師とした生涯教育の生徒30名による作品展。デッサン・油彩画・水彩画・パステル画・色鉛筆の作品約60点を展示しています。(3階 1号展示室 入場無料)
福岡書友会会員の作品(条幅、扁額、半紙、巻紙、等)約100点を展示しています。
(3階2号展示室 入場無料)
画歴3~20年、平均年齢75歳のグループ展。県立美術館での開催11回記念のグループ展です。描くことが楽しみで11回目を迎えます。(3階 3号展示室 入場無料)
土、釉薬も自分の納得のいくものを自分でつくり、焼成も1回でなく本焼きを2回行い、1回目の焼きの上に2度目のうわぐすりを焼きつける方法で、唐津、上野、高取を意識しながら若干違う陶器に仕上げました。(3階 4号展示室 入場無料)
2015年3月4日(水)
春のにおいを嗅ぎつけて、へびがにょろりと展示室から出てきたようです。
【1階・3階】第50回福岡教育大学美術教育講座(美術)卒業制作展
福岡教育大学美術教育講座(美術)50期生による大学生活の集大成となる卒業制作展です。絵画・彫刻・工芸・デザイン・教科教育等、幅広い分野の作品を展示しています。
2015年2月27日(金)
2月7日からはじまった「古川吉重1921-2008」展も残すところ約2週間です。明日2月28日(土)、そして3月14日(土)は、それぞれ14時からギャラリートークを開催します。担当学芸員が展覧会会場で展覧会の見どころなどについてお話しします。お時間のあるかたはぜひお立ち寄りください。(藤本)
「ギャラリートーク」 平成27年2月28日(土)、3月14日(土) 14時00分から
場所:福岡県立美術館 4階 展覧会場
※会場内でのイベントですので、当日の入場者のみ参加できます。
2015年2月25日(水)
福岡教育大学 中等教育教員養成課程書道専攻第十三期生卒業制作展
第二十七回福岡教育大学書道科全学年書作展
卒業書作展では、4年生にとって大学での学びの集大成となる書作品を発表します。同時開催の全学年書作展は福岡教育大学書道科に在籍する学生全員が、作品を通じて、1年間の学びの成果を発表します。
会場 1階展示室、3階1・2・3・4号展示室(入場無料)
主催:福岡教育大学書道科(美術教育講座・書道)