福岡県立美術館
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ホームケンビブログ【コレクション展Ⅰ 特集: 野見山暁治の水彩・素描】展をホームページ上で公開します 【 2 】

【コレクション展Ⅰ 特集: 野見山暁治の水彩・素描】展をホームページ上で公開します 【 2 】

当館ホームページ上で「コレクション展Ⅰ特集: 野見山暁治の水彩・素描」展について順次公開してまいります。

*画像は、本展会場風景。(2020年3月撮影分)
*本展は、当初2020年3月14日から5月10日までの会期を予定していましたが、新型コロナウイルス感染症の感染とその拡大防止のための臨時休館により開幕の日を迎えぬまま閉幕しました。
*本展の会期を変更し、2020年8月8日から9月27日までの日程で開催する運びとなりました。

◆ コレクション展Ⅰ 特集:野見山暁治の水彩・素描   【 2 】

はじめに

1920年に福岡県嘉穂郡穂波村(現・飯塚市)に生まれた洋画家野見山暁治の水彩・素描を特集します。今年100歳を迎える野見山の画業の初期から70年代まで、そして90年代をご紹介します。

野見山の作品といえば、大きなカンバスに描かれた抽象的な油彩画を思い浮かべる方が多いかもしれません。たしかに野見山の多くの作品は、一見すると抽象的にも映りますが、いつも何らかのモチーフ(対象物)から着想し制作されています。抽象的であっても、具象的であっても、野見山の関心のあらわれこそ画面に描かれているといえます。今回ご紹介する水彩・素描は、自画像、炭鉱の風景、パリの風景、ひと、樹など概ね具象的に描かれています。これらは、野見山の活動の初期ともいえる終戦直後からフランス帰国後に油彩画の制作と並行して描かれました。

水彩・素描は、今となっては美術表現の1つのジャンルですが、伝統的な西洋美術では、油彩画の下絵として考えられていました。当時、多くの画家たちがそうであったように、野見山もまた当初下絵としてこれらの制作に取り組んでいました。ご紹介する作品の中には、実際に油彩で制作されたことが確認できる作品もあります。しかしながら、長きにわたる野見山の画業においても、油彩画の下絵という役割をこえていきます。絵を描くことに対して忠実に歩みを進めるうえでは自然な流れだったのでしょう。今日の野見山の油彩画を考える上でも、水彩・素描に着目することは大切な意味を持ちます。

本展では、油彩画も織り交ぜながら、もう一つの側面から野見山の画業をたどります。(岡部)

つづく  3

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