2014年3月15日(土)
福岡県立美術館は休館中ですが、ケンビの所蔵作品を別の場所で見ることができます。
今回、ご紹介するのは、児島善三郎「蓮花」(1939年)。本作が展示されている「東京・ソウル・台北・長春―官展にみる近代美術」が福岡アジア美術館で3月18日(火)まで開催中です。
児島善三郎は福岡出身の洋画家。独立美術協会を結成して在野の雄として活躍しました。一昨年当館で開催した「児島善三郎と中村研一 福岡ライバル物語」でもスポットを当てた画家です。「蓮花」では、蕾を結び、花開き、そして散るという蓮の花を諸相を大胆な筆致で堂々と描きだしています。
会期残りわずかですが、中洲にいらっしゃった際はぜひお立ち寄りください!(M.F)
【「東京・ソウル・台北・長春――官展にみる近代美術」】
福岡アジア美術館 平成26年2月13日(木)~3月18日(火)
2014年3月5日(水)
ケンビからは徒歩10分ほどでしょうか、天神のど真ん中、IMSビルのなかにそれはあります。
三菱地所アルティアムで開催中の展覧会「状況の配列」。ギャラリーの入口はまだまだ設営中のような様相ですが、いえいえ、そこがこの展覧会のミソ。足を踏み入れ、導かれるままにしばし歩けば、悶絶すること間違いなし。
今回のインスタレーション作品をつくったチーム「目(め)」に騙されてみてください。目からうろこやら何やらがこぼれ落ちますよ。
それにしても、どうしてケンビのブログでこの展覧会をこんなにも推すのか? それもまた作品をよくよく見てのお楽しみに。(竹口)
三菱地所アルティアム
→ http://artium.jp/
★「状況の配列」は3月15日まで
2014年3月3日(月)
福岡県立美術館はただいま休館中ですが、実は、休館中でも別の場所でケンビの作品をみることができます。
例えば、こちら。
3月23日(日)まで神奈川県立近代美術館<葉山館>で、そして4月5日(土)からは愛媛県美術館で開催する「柳瀬正夢 1900-1945」展です。 *写真は図録と愛媛県美術館の展覧会チラシです。
この展覧会では当館所蔵の柳瀬正夢の作品も展示されています。
チラシの下段に大きく掲載されているのもその一つ。「果樹島園」です。
油彩による屏風形式の本作は柳瀬が18歳の年の作品です。清澄な青の海に浮かぶ島々がモザイク画のような大ぶりの点描でおおらかに描かれています。橙色の果物が実る木々に、桃色に染まる山並み。畑に横に寝転がる犬の向こうには農作業にいそしむ人々が見えます。柔らかで澄んだ色彩で描き出された牧歌的な情景は、柳瀬の思い描く理想郷の姿なのかもしれません。
他にも5点の福岡県立美術館所蔵の柳瀬正夢の作品が展示されています。
神奈川に愛媛。お近くにいらっしゃった際は、ぜひ立ち寄ってみてください! (M.F)
【「柳瀬正夢 1900-1945」展で展示中の福岡県立美術館所蔵作品】
柳瀬正夢「池畔の牛」1916年
柳瀬正夢「風景」1917年
柳瀬正夢「磯邊氏の肖像」1917年
柳瀬正夢「果樹島園」1918年
柳瀬正夢「波止場のI氏」1922年
柳瀬正夢「少女像」1922年頃
【「柳瀬正夢 1900-1945」】
神奈川県立近代美術館<葉山館> 平成26年2月11日(火・祝)~3月23日(日)
愛媛県美術館 平成26年4月5日(土)~5月18日(日)
2014年2月19日(水)
ケンビの「スクール・ミュージアム」って聞いたことありますか?
「学校(スクール)」で「美術館・博物館(ミュージアム)」とは一体なんだと思うかもしれません。
実はこれ、学校の児童・生徒さんたちが美術館に来て、作品を見て、知って、楽しむお手伝いをしようという学校教育支援事業だったりします。
*福岡県立美術館と福岡県青少年科学館で開催していますが、ここでは美術館のアートコースについてご紹介します。
ポイントは2つ。
① 来館するための往復の貸し切りバス費用や観覧料などの経費を補助します!
② 学校・グループ(部活など)にあわせて鑑賞プログラムを作ります!
美術館という場所に馴染みがないという人は多いかもしれません。
まずもって美術館まで行くのが大変。
だからこそ、まずは、美術館まで来ていただくお手伝いをします。
しかし、美術館に行っても「びじゅつ」ってよく分からない、なんだがとっつきにくいという人もいるでしょう。
そこで、美術館では様々なプログラムを用意してお待ちしております。
例えば展覧会についてお話を聞くプログラムや作品の前で対話をしながら作品の理解を深めていくプログラム、小グループに分かれて自分の好きな作品について話してみるプログラム、あるいはアートカードを使ったプログラムなどもあります。
小グループに分かれての活動の様子。
自分の好きな作品や気になった作品の前にいって、グループのメンバーに紹介。どこが好きか、どこが気になるかなどを伝えます。
色だったり、形だったり、描いてあるものだったり、大きさだったり、素材だったり。内容は様々。横から見ると違って見えるからという人も。
そのあとは、グループメンバーでお互いの気づいたこと、感じたことについて話したり、質問したりして交流を深めつつ、作品を「見る」という体験も深めていきます。
ほかの人の話を聞くと、自分が考えてもみなかった面白い意見や鋭い意見が聞けて、なかなか刺激的です。
どんなプログラムがあるか詳しく知りたいひとはこちら→平成24年度 活動記録
いかがでしょうか。
「スクール・ミュージアム、ちょっと気になるなあ」という方は、ぜひ、美術館までお問い合わせください。(松藤・藤本)
問合せ先:福岡県立美術館092-715-3551
福岡県青少年科学館0942-37-5566
スクール・ミュージアム事業
主催:スクール・ミュージアム事業実行委員会
(一般財団法人福岡県教職員互助会、福岡県立美術館、福岡県青少年科学館)
2014年2月17日(月)
ご存知のとおり当館は1月より休館し、現在耐震補強工事の真っ最中です。
考えてみれば今後こんな状況は二度と訪れないでしょうから、せっかくなので記録写真を撮って、たまにみなさんにお知らせすることにしました。題して「ただいま工事中」。さて何号までつづくでしょうか。
写真はほぼ1週間前の状況。須崎公園の噴水あたりから望んだところです。お分かりの通り塔が足場で覆われつつあり(と、これを書いている今日はほとんどすっぽりを囲まれてしまったのですが)、残すは天辺の透かし模様の辺りのみ。
「透かし模様」と書きましたが、実際のところ昭和39年の建設当初(福岡県文化会館という図書館と美術ギャラリーの併設施設としてオープンし、昭和60年に現在の形に改築され、福岡県立美術館としてリニューアルオープンしました)には見事に透けすけで、雨風吹きっさらしの状況でした。おそらく設計者の建築家佐藤武夫が塔の頭頂部に開放感をもたらし、塔をより高く見せようと工夫を施したのだと思われます。
写真は建設まもなくのもの(建設当初の撮影ではないことが見て分かるのですが、なぜそう分かるのかはまた改めて)。塔の天辺、透けすけ感がよくお分かりでしょう。よく見れば塔は上に行くほどすこしすぼまっていて、これもまた塔を高く見せるための建築家の工夫でした。
しかし、雨風がどんどん入ってくるのは建物として使い勝手が悪いと判断されたのでしょう、そのうち透かし模様の内部に壁が建てられ、その意匠のみが残された訳です。
ちなみに文化会館時代の正面玄関は、福岡市民会館と向かい合う駐車場側にありました。ですからこの写真が正面側。現在とは向きも構造も異なるのが分かります。(竹口)
2014年1月21日(火)
福岡県立美術館の展覧会情報や活動紹介など、1年間に3回皆さんのお手元にお届けするニュースレター「とっぷらいと」。最新号の97号を先日発行しました。
表紙の写真は夏に行ったワークショップ「ヒカリバコ」のひとコマ。季節外れではありますが、さわやかで楽しそうな様子が伝わればうれしいなあ。そして今回も読みどころ、見どころ盛りだくさんです。
特集:夏と秋のワークショップ報告
寄稿:「移動美術館展」@田川市美術館(徳永恵太さん)
インタビュー:現代美術家・鈴木淳さん
コレクション紹介:大内田茂士「落合の街角」
作家紹介:上田宇三郎
デザイン:毛利清隆
写真:花田朋子
休館中につき当館で手に取っていただくことはできませんが、県内美術館をはじめ様々な施設・店舗にお送りする予定ですので、もし見かけましたらぜひ開いて、読んでみてください。(竹口)